矯正歯科では歯並びが悪いことを不正咬合(咬合異常)と言ったりします。
不正咬合は額顔面、歯、歯周組織などが、様々な要因によって形態や機能に異常をきたすことで咬合が正常ではなくなった状態をさします。
※咬合とは上下額を閉じた時の歯の接触関係を意味します。かみ合わせと捉えていただけるとわかりやすいかと思います。

単に、歯並びが悪いといっても、その種類は様々です。
主に次のような状態があります。

【不正咬合の状態】

■上顎前突(出っ歯)
いわゆる出っ歯の状態です。上顎が前に出ているか、下顎が後退していることで、出っ歯に見えます。

■上下顎前突
上下額の両方が前に出ている状態です。口元が突出したような感じになるため、見た目を気にして矯正相談に来られる患者さんもいらっしゃいます。

■下顎前突(反対咬合)
出っ歯とは逆で、下顎が前に出ている状態です。いわゆる受け口の状態です。

■叢生(そうせい)
数歯にわたって、歯がガタガタとしている状態です。

■開咬
奥歯を噛んでも前歯が噛み合わない状態です。オープンバイトとも呼ばれます。

■過蓋咬合
かみ合わせが深い状態です。上の前歯が被さりすぎて下の前歯が見えなくなることもあります。

■切端咬合(切縁咬合)
上と下の前歯の切端で接する咬合状態です。

■正中離開
前歯に隙間のある状態です。主に上の前歯に起こりやすいです。全体的に隙間がある状態は空隙歯列と呼ばれます。

■対象捻転(翼状捻転)
上顎の前歯が対照的に捻れている状態です。特に前歯が内側に向かって捻れている状態は鳥が羽ばたいている時の翼のような見た目であることから翼状捻転と呼ばれます。

【不正咬合の原因】

原因は人によって様々ですが、遺伝や先天異常などの様に、出生前に原因がある場合と発育異常や外傷、生活習慣など、出生後に原因がある場合があります。
不正咬合の状態によって治療方針も異なってきます。

次回からはそれぞれの不正咬合の状態について詳しく説明していきます。ぜひご覧ください。