今回は、前歯が内側に捻れて生えてくる翼状捻転の例をご紹介します。

翼状捻転とは、鳥が翼を広げた姿に似ていることから翼状捻転と呼ばれるようになりました。日本人に比較的多く見られる症例です。

翼状捻転がみられる場合、上顎の前歯が突出していることも多く、今回のケースも出っ歯の状態でした。

こちらは初診時の歯並びです。

初回時の写真をみると、上顎の前歯が内側に捻れていることがわかります。

内側に捻れているため、内側と外側の角度ができてしまい、でこぼことした歯並びにも見えます。

前歯は笑った時に見えやすい歯であるため、口を開いて笑うことを恐れてしまう方も多くいらっしゃいます。「自分が笑いたい時に思いっきり笑えない」「笑った時に自分の歯並びを見られていないか不安」「笑った時の自分の顔が嫌い」こんな気持ちで日々すごしていると心労が重なり精神的にもよくありません。

また、口が閉じにくくなったり、かみ合わせが悪くなることもあります。

今回はすべて永久歯に生えそろった歯にセルフライゲーションセラミックブラケットを装着し、約1年6ヶ月かけて歯を配列していきました。

でこぼことした歯を配列する隙間が無い場合は永久歯の抜歯や、歯の表面を少し削るなどの処置が必要ですが今回は行っておりません。

 

【矯正治療中の経過】

今回は下の歯の前歯も隙間があり斜めを向いて生えていたので、上下両方の歯にセルフライゲーションセラミックブラケットを装着し、配列していきました。

まずは上顎の前歯の逆ハの字の状態を改善するために、生えている向きを改善し、その後、隙間を徐々に移動させ出っ歯の状態を改善していきました。

 

矯正終了後には、「自分の歯を見るのが嫌じゃなくなりました。これからは思いっきり笑いたいです。」と嬉しいお言葉をいただきました。

素敵な笑顔で過ごされていることを祈っています。

●主訴
前歯が突出しており、内側にねじれている。

●診断名あるいは主な症状
上顎前突
翼状捻転

●年齢
28歳1ヶ月

●治療に用いた主な装置
セルフライゲーションセラミックブラケット

●抜歯部位
非抜歯

●治療期間
1年6ヶ月

●メンテナンス頻度
月1回

●治療費用(税抜)
約800,000円

●治療を行う上での注意点(リスク・副作用)

矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について(改訂)

日本矯正歯科専門医機関の規定により、当院では矯正治療を行う上で、リスクや副作用を明示しています。

  1. 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いですが個人差があります。
  2. 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性がありますが、その場合には改めて治療期間のスケジュール作成等をいたします。
  3. 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響することがあります。
  4. 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。程度によっては、虫歯治療を優先します。
  5. 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
  6. ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
  7. ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
  8. 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。その場合には装置の変更等を行います。
  9. 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
  10. 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
  11. 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
  12. 矯正装置を誤飲する可能性があります。
  13. 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
  14. 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。保定装置とは>>
  15. 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
  16. あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
  17. 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
  18. 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。