今回の患者さんは20代女性の方で、右側の八重歯と前歯の捻れが気になるというお悩みでご来院されました。

ご職業柄、人と話す機会が多く、矯正治療はしたいが、できるだけ目立たない治療をご希望されていました。

そのため、今回はマウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置を使用して治療を行いました。

マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置は患者さん一人一人の歯並びに合わせた透明なマウスピースを使用して、歯並びを整えます。

透明なので、目立たず、ワイヤーや金属を使わないので、唇や口の粘膜を傷つけない特徴があります。

しかし、1日20時間以上の装着が必要ですが、取り外しができるので、装着を守ることが難しい方にはブラケット矯正装置をご提案しています。

マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置の詳細については下記URLにまとめてありますので、よろしければご覧ください。

https://www.yorozu-ortho.com/mouthpiece/

 

初診時の歯並びです。

右側の犬歯が八重歯になっていることが分かります。

八重歯とは犬歯(上顎の3番目の歯)が外側に飛び出して生えている状態をいいます。上顎の歯並びもガタガタとしていました。

特に右側の前歯が捻れるように生えている部分が目立っていました。

 

【治療経過】

飛び出している歯を歯列に収めるためにIPRという手法をとりました。

IPRとは歯と歯の間を、歯の健康や寿命に影響を及ぼさない範囲内で削り、歯を動かすためのスペースを確保する手法です。

IPRを適応することで、できるだけ歯を温存した治療計画をたてることができます。

今回はIPRを行ったので、矯正治療のための抜歯は必要ありませんでしたが、親知らずが生えており、今後、歯並びに影響を与えることも考えられたので、親知らずを計3本(上の右側の8番と下の左右8番)抜歯しました。

そして、歯並びを調整するために1〜2週間ごとにマウスピースを交換し、約1年6ヶ月かけて歯並びを整えていきました。

 

八重歯が目立たなくなり、前歯の捻れも解消されました。

患者さんが1日20時間以上マウスピースを装着し、治療に協力的であったことが、良い結果につながったと思います。

「装置が目立たなかったので、周りの目を気にせずに、仕事に取り組むことができました。」とおっしゃっていただけました。

社会人になってから矯正治療を検討する方も多くいらっしゃいます。

また大人の患者さんからは、目立たない矯正装置にして欲しいというご依頼を受けることも多いです。

マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置ではなく、ワイヤータイプでも目立ちにくい矯正装置はご用意しております。

ご興味のある方は下記URLからご覧ください。

https://www.yorozu-ortho.com/mouthpiece/

 

●主訴
八重歯と前歯の捻れが気になる

●診断名あるいは主な症状
八重歯

●年齢
24歳8ヶ月

●治療に用いた主な装置
マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置

●抜歯部位
上の右側の8番、下の左右8番の計3本

●治療期間
約1年6ヶ月

●メンテナンス頻度
月1回

●治療費用(税抜)
約800,000円(2017年8月時点)

●治療を行う上での注意点(リスク・副作用)

矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について(改訂)

日本矯正歯科専門医機関の規定により、当院では矯正治療を行う上で、リスクや副作用を明示しています。

  1. 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いですが個人差があります。
  2. 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性がありますが、その場合には改めて治療期間のスケジュール作成等をいたします。
  3. 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響することがあります。
  4. 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。程度によっては、虫歯治療を優先します。
  5. 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
  6. ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
  7. ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
  8. 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。その場合には装置の変更等を行います。
  9. 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
  10. 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
  11. 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
  12. 矯正装置を誤飲する可能性があります。
  13. 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
  14. 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。保定装置とは>>
  15. 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
  16. あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
  17. 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
  18. 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。